競馬必勝のために~JRAが狙う面白いレースの組立て方~

JRAの目的が「上納金(国庫納付金)をたくさん収める」ことだとして、そのためには
多額に馬券売り上げを得るのが一番重要と位置付けました。

競馬ファンを惹きつける面白いレース
売上を上げるには「競馬ファンを惹きつける面白いレース」を作る必要があると考えます。

面白いレースとは、固いレースと荒れたレースが程よくミックスして多くのファンが配当を手にするレース。
また、目も眩むような高配当が出たりして人々の射的心を煽り、何度も挑戦したくなるようなレースを指します。

では、JRAはどうやってを「面白さ」作っていくのか。それにはJRAのコンピューターシステムを知る必要があります。

といっても、ITの中身の話ではありません、仕組みの理解です。
JRAは早くからスーパーコンピューターを導入して、馬券の発売と払い戻しやオッズの計算などをシステム化しています。
さらにお金以外でも、馬の健康管理情報や調教の成績などを詳細に管理し、かつ配下の騎手・調教師・厩務員などのに関わる全データを掌握しています。

騎手・調教師などの免許もJRAが握っていて、各種の情報提供は義務つけられています。
全ての情報がJRAのスーパーコンピューターに集められて、日々細かく分析されています。そのシステム開発と運営能力は極めて高いと考えられています。
情報分析により、具体的に言えば次のようなことが分かってきます。
① 実績があって現在も好調な馬
② 実績は高いが今は不調な馬(疲労の蓄積、風邪を引いている、爪が割れた)
③ 実績は低いが最近急に調子を上げてきた馬
④ 実績がなく現在も不振な馬
AとDを組み合わせれば固いレースとなり、BとCを戦わせれば荒れた結果が期待できます。
プロ野球で言えば、12球団の監督がすべて同じ人物で、先発も交代もその人物がオーダーすると考えれば、ある程度の結果は予想できると思いませんか。
もちろん、生身の馬と人間がやることなので予想外の結果は必ず発生しますが、それも確立の問題として計算済だと推察します。
こうやって固そうなレースと荒れそうなレースを組み立てていけば良いのです。
同時に「競馬は健全で楽しい娯楽」とのイメージをコマーシャルで流し続けてお客を惹きつける戦略に徹していますね。

レースの面白さを脅かすモノとは
面白いレースの作り方は大体わかって貰えたと思います。
しかし、JRAにとって「面白さ」を脅かす要素が一つあります。それは「必勝法」の存在です。「必勝法」とは、その方法を使えば誰でも勝てるノウハウだと定義しましょう。

そんな方法が広く世に知れ渡ったら、勝者ばかりになって賭けが成立しません。
あれこれと予想する楽しみや、思わぬ展開に一喜一憂するスリル感もなくなったら競馬そのものが衰退するかも知れません。