JRA(日本中央競馬会)について
「中央競馬の主催者」と認知されているこの組織ですが、競馬の仕組みを理解して競馬から利益を得ようとするなら、JRAを研究することは極めて重要と考えます。
一見、何のことかわからないと思われる方が大半でしょうが、一つずつ解説します。
JRA(日本中央競馬会)の目的
JRAは「競馬産業の振興」を主たる目的として設立された特殊法人です。
監督省庁は農林水産省で、ほぼ「役所」と言っていい組織となっています。
では「競馬産業の振興」とはどんな事か、具体的に挙げてみます。
① 競走馬・畜産産業の振興
② 騎手や厩務員(きゅうむいん)の育成
③ レースの開催
④ 収益の一部を国庫に納付
役所の建前から順に並べていますが、本音は④が一番重要だと私は思います。
ちなみに、2019年度の国庫納付金は約3200億円で、そのお金は畜産業への振興や
社会福祉に使われています。国の重要な収入源なんですね。
売り上げの使い道
競馬ファンが買っている馬券の売り上げも法律でその使い方が決まっています。
① 的中馬券の配当金:約75%
② レース開催を含めた組織運営費:15%
③ 国庫納付:10%
JRAの真の目的は「より多くの馬券を売り上げて国庫にお金を収めること」と考えます。
売り上げを上げるには
上記の目的を達成するため、人気俳優などを起用したコマーシャルを流したり
レースをドラマチックに演出したりしているのは、ファン以外でもわかります。
でも私は、JRAが最もエネルギーを使っているのは「面白いレース」の組み立てと
考えています。
もし競馬が「めったに当たらない博打」だったり、「人気上位が勝ってばかりで一攫千金にならない」ギャンブルだったら、ファンは馬券を買い続けるでしょうか?
私は「堅実に的中できるレース」と「誰もが羨む高額配当レース」が
程よくミックスされてこそ「面白い」と感じます。
買った馬券が的中すると、配当金の多少に関わらず気持ちの良いものです。
ただ、低配当ばっかりでは満足しないのがファン心理ですね。
多くの人が見落としている実力馬を見つけ、その馬が激走して高配当を得た時の喜びは
ファンの記憶に深く残り、また次を狙いたくなるものです。
そんな状況をJRAは狙っていると推察します。